アップライトとグランドピアノの違いを徹底比較

アップライトとグランドピアノの違いを徹底比較
目次

ピアノにはアップライトとグランドピアノの2種類があります。

そしてピアノ購入を考えた時、アップライトにするかグランドにするか悩む方は少なくありません。

そこで、この記事ではアップライトとグランドピアノと徹底比較していきます。

ピアノ購入ピアノの買い替えを検討中の方は、ぜひ参考にしてください!

アップライトピアノとグランドピアノを徹底比較

それではさっそく、アップライトとグランドピアノの違いを見ていきましょう。

今回は異なる6つの観点から、アップライトピアノとグランドピアノを徹底比較します!

アクションの違い

アップライトピアノとグランドピアノでは「アクション」の構造が大きく違います。

ちなみにアクションとは簡単に説明すると「鍵盤を押すとハンマーが弦を打つピアノの仕組み」のことです。

アップライトピアノ

アップライトピアノのアクション
引用元 https://www.kawai.jp/support/buy/diff_up/?doing_wp_cron=1658536023.9121470451354980468750

アップライトは、弦が垂直に張られており、ハンマーが横から弦を叩くことで音が出るようになっています。

ハンマーを戻す時にバネの力を利用するため、ハンマーの戻りにどうしても時間がかかります。

そのため、鍵盤の連打は1秒に7回前後が限界です。

またアップライトピアノのアクションは調整箇所が少ないため、音色や鍵盤の重さなどの調整が限定的なのも特徴と言えるでしょう。

グランドピアノ

アップライトピアノのアクション (1)
引用元 https://www.kawai.jp/support/buy/diff_up/?doing_wp_cron=1658536023.9121470451354980468750

グランドピアノは、弦が水平に張られており、ハンマーが下から弦を叩いた後、自重で元の位置に戻ります。

その上、ハンマーが完全に戻らなくても、次の打鍵ができるのも特徴です。

そのため、鍵盤の連打は1秒に14回以上可能です。

グランドピアノのアクションは、アップライトピアノに比べ調整箇所が多いため、繊細な調節や調音ができます。

音の違い

アップライトピアノとグランドピアノの違いには音の違いもあげられます。

音の違いは、音量から音色、響き方まで異なります。

アップライトピアノ

アップライトピアノは、ボディや響板の振動面積が狭いため、強弱の幅が限定的です。

またアップライトピアノはボディがが小さいため、蓋を開けて弾いたとしても、グランドの音量には及びません。

そして、アップライトは構造上、音がこもりがちでホールで演奏する時とは異うのも特徴と言えるでしょう。

グランドピアノ

グランドピアノは、ボディ全体が共鳴体となるため、強弱の幅が広く、低音から高音までのびやかに響きます。

また、響板から出る音を自分の耳で聴きながら演奏できるため、繊細な表現が可能です。

そして、和音(複数の音)を弾いた時に、音が濁らずクリアに響くのもグランドピアノの特徴です。

ペダルの違い

アップライトピアノとグランドピアノではペダルの役割と名称にも違いがあります。

アップライトピアノ

アップライトピアノのぺダル

アップライトピアノのペダルは一般的には、ダンパーペダル(右)、マフラー(弱音)ペダル(中央)、ソフトペダル(左)の3本です。

グランドピアノとの違いは中央のペダルがマフラー(弱音)ペダルという点です。

グランドピアノでは中央のペダルはソステヌートペダルで、直前に弾いた音の余韻を残すことができるようになっています。

グランドピアノ

グランドピアノのぺダル

グランドピアノのペダルは一般的には、ダンパーペダル(右)、ソステヌートペダル(中央)、ソフトペダル(左)の3本です。

ソステヌートペダルを使うことで、直前に弾いた音の余韻を残すことができるため、音楽的表現の幅が広がります。

特に、近現代の作品を演奏する上で重要なペダルとされています。

タッチの違い

アップライトピアノとグランドピアノでは、アクション機構が異なるため、タッチにも違いが生じます。

アップライトピアノ

タッチの違い アップライト

アップライトピアノでは打鍵するとハンマーが横から弦を叩いて音が鳴ります。

そのため、指先の力がハンマーアクションに伝わりにくく、タッチの幅が狭くなりがちです。

そして構造上、音がこもりやすいため、微妙なタッチによる音色の変化が表れにくいのも特徴の一つです。

グランドピアノ

タッチの違い グランドピアノ

グランドピアノは、打鍵するとハンマーが下から弦を叩く自然な構造です。

そのため、指先の力がハンマーアクションに伝わりやすく、タッチを変えることで様々な音楽的表現が可能になります。

価格の違い

アップライトピアノとグランドピアノでは、価格面でも大きな違いがあります。

一般的にはアップライトよりグランドピアノが高額です。

アップライトピアノ

価格の違い アップライトピアノ

アップライトの価格はメーカーによって異なるため、主要メーカーの価格をご紹介しておきます。

  • ヤマハ:70万円~
  • カワイ:60万円〜
  • スタインウェイ:400万円〜
  • ベーゼンドルファー:450万円~

※価格はあくまで相場で常に変動するのでご注意ください。

中古の場合は、最大半額以上安くなるため、初めてのピアノに中古のアップライトピアノを選ばれる家庭が多いです。

グランドピアノ

価格の違い グランドピアノ

グランドピアノの価格もメーカーによって大きく異なるため、主要メーカーの価格相場をご紹介しておきます。

  • ヤマハ:180万~
  • カワイ:180万~
  • スタインウェイ:1000万円~
  • ベーゼンドルファー:1100万円~

※価格はあくまで相場で常に変動するのでご注意ください。

グランドピアノは、中古になると新品の1/3程度で購入できるものもあるため、アップライトからグランドピアノへの買い替えの際に、中古のグランドを購入される家庭も多いです。

占有スペースの違い

アップライトとグランドピアノではボディのサイズが異なるため、占有スペースにも大きな違いがあります。

アップライトピアノ

占有スペースの違い アップライトピアノ

アップライトピアノは、メーカー、そしてモデルによって大きさが異なりますが、一般的には高さ114~131cm程度です。

間口は149~153cm、奥行きは53~65cm前後です。

アップライトピアノは通気性や騒音対策を考え、壁から10cm程度離して置くことが推奨されています。

これに加え、椅子の位置などを考えると、ップライトピアノの占有面積は約1㎡程度と言えるでしょう。

グランドピアノ

占有スペースの違い グランドピアノ

グランドピアノには、ベビーグランドピアノからフルコンサートグランドピアノまで様々なサイズがあります。

グランドピアノの占有スペースを考える時に大切なのは奥行です。

サイズごとの奥行きの目安をご紹介しておきます。

  • ベビー:150cm
  • 1型:161cm
  • 2型:173cm
  • 3型:186cm
  • 4型:200cm
  • 6型:211cm
  • セミコン:227cm
  • フルコン:274cm

グランドピアノの間口は150cm前後なこと、椅子の位置なども考えれば、占有スペースは最低でも2.5となります。

調律の頻度、メンテナンス、管理方法などの違い

アップライトピアノもグランドピアノも、アコースティックピアノである以上、調律の頻度やメンテナンス、管理方法は基本的には同じです。

しかし、構造は異なるため調律料金や、管理の際の注意点は異なるので、それぞれご紹介していきます。

アップライトピアノ

調律の頻度、メンテナンス、管理方法などの違い アップライトピアノ

アップライトピアノの調律は1万円から1万5千円が相場ですが、調律師やピアノの状態で前後します。

頻度に関しては、最低でも半年から1年に1度ですが、毎日長時間弾く場合は、音が変わりやすく、ハンマーやフェルトの消耗も早いため、もう少し短い期間での調律が必要です。

メンテナンスと管理方法の注意点は、アップライトは壁に向かって置くことが多いですが、密接するとカビが発生し、ピアノの劣化を招きます。

そのため、必ず壁から10cm程度離して置きましょう。

そして、何より大切なのが湿度調節です。

冬季は35~65%、夏季は40~70%をキープできるように、除湿器・加湿器を使って、湿度の管理をしましょう。

また、アップライトピアノは上に楽譜などを置きがちですが、音色や響き方に影響が出ることもあるため、なるべく物は置かない方が良いでしょう。

グランドピアノ

調律の頻度、メンテナンス、管理方法などの違い グランドピアノ

グランドピアノの調律料金は1万2千円~2万円が相場です。

アップライトピアノより料金が高いのは、アクションの調整箇所が多いからです。

調律の頻度は、アップライトピアノ同様、半年から1年に1度は必要ですが、毎日長時間弾く場合などは、4か月に1度の調律が推奨されます。

そして、グランドピアノもアップライトピアノ同様、湿度管理が非常に大切です。

冬季は35~65%、夏季は40~70%を厳守し、室温は15℃~25℃が理想的です。

また、直射日光はピアノを劣化させる要因になるため、日当たりが良すぎる場所は避けるか、遮光カーテンを付けるなどの対策も必要です。

それぞれのメリット・デメリット

ここまでアップライトピアノとグランドピアノの様々な違いをご紹介しましたが参考になりましたか?

最後に、それぞれのメリットとデメリットをまとめてご紹介したいと思います。

アップライトピアノのメリット・デメリット

まずはアップライトピアノのメリットとデメリットをご紹介します。

アップライトピアノのメリット・デメリット

メリット

  • グランドピアノに比べて安価
  • 場所を取らない
  • 価格が下がりにくい

アップライトピアノは、グランドピアノに比べると安価で、搬入費用も安くおさえることができます。

占有スペースもグランドピアノに比べると小さいため、限られた住宅スペースでもピアノを楽しむことができるでしょう。

また、アップライトピアノは常に需要があるため、価格が下がりにくいのも大きなメリットです。

デメリット

  • グランドピアノに比べて音量が小さい
  • 音色やタッチの繊細な調節が難しい
  • ソステヌートペダルがない

アップライトピアノはグランドピアノに比べると、音量が小さく、また音色の幅が限定的です。

そして、ソステヌートペダルがないため、ピアノを専門的に学ぶ方には不十分なのが最大のデメリットと言えるでしょう。

グランドピアノのメリット・デメリット

次はグランドピアノのメリットとデメリットをご紹介します。

グランドピアノのメリット・デメリット

メリット

  • 音量の幅が広く響きが豊か
  • 音色やタッチを繊細に調節できる
  • 手や指への負担が少ない
  • ソステヌートペダルによって音楽的表現の幅が広がる
  • コンクールや受験に近いコンディションで練習できる

グランドピアノは、音量の幅が広く、音色やタッチの繊細な調節もできるため、ピアノの持つ魅力を最大限に楽しむことができるでしょう。

また手や指への負担が少ないため、長時間練習するのにも適しています。

そして、コンクールや音高・音大などの受験ではグランドピアノを使用するため、本番に近いコンディションで練習できるのも大きなメリットと言えます。

デメリット

  • アップライトに比べると高額
  • 集合住宅には置けないこともある
  • 場所を取る

グランドピアノは、アップライトに比べると高額です。

ただ、中古のグランドピアノであれば、新品のアップライト程度の価格のものもあるため、一概にデメリットとは言えません。

しかし、占有スペースが大きいため、住宅環境によってはグランドピアノを入れるのは難しいでしょう。

また、ピアノ可の集合住宅であっても、グランドピアノは不可な物件もあるため、事前確認が必要です。

まとめ

今回は「アップライトとグランドピアノの違いを徹底比較」をお送りしました。

同じピアノでも、アップライトピアノとグランドピアノには違いがいくつもあるんですね。

ピアノ購入を検討中の方は、メリットとデメリットのどちらにも目を向けることで、より自分やご家族にぴったりのピアノを見つけることができるでしょう!

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