スタインウェイの特徴とは?人気モデルやピアノの新品価格一覧

時計のアイコン 2024年11月29日(公開:2024年11月29日)
スタインウェイの特徴とは?人気モデルやピアノの新品価格一覧

世界で行われているクラシックコンサートの98%はスタインウェイのピアノです。また「富の象徴」とも評され、世界のビリオネアのリビングに佇んでいるのがスタインウェイピアノでもあります。まさにピアノの極み。

今回は世界のピアノ業界をリードするスタインウェイの特徴や販売モデルに迫っていきます。

スタインウェイ&サンズの特徴

スタインウェイのピアノは一台一台、手作業かつ丹念に時間をかけて製作されています。スタインウェイピアノの心臓部と言われる響板に使われる木材は、アラスカ産のマツの一種でその中でも厳選された1%の部分のみしか使用していません。さらにこの厳選された木材から、繊維を多く含んだ上、木目に合うものだけが使用されています。このように厳選された素材から1万2000になるパーツを組み合わせ、ピアノが作られています。

130以上にわたるピアノの特許も取得しており、唯一無二のピアノを作り上げる秘密はここにもあります。一例をご紹介します。

アクション

スタインウェイアクション

鍵盤の動きを正確に弦に伝えることができるアクション。木材を充填したチューブ方式のアクションフレームとなっており、エネルギーロスを最小限に抑えることを可能にしています。

振動を効率よく伝えるために、駒は板を垂直に何枚も重ねられています。

交差弦

スタインウェイ交差弦

弦を斜めに交差して配置する特許も取得しています。従来は平行に張られていましたが、これを覆したことにより低音の駒の位置をリムに近づけることに成功。更に向上した低音の響きを得た上、低音・中音弦も長くなり、より豊かな響きを実現しました。

響板

響板は振動膜の原理に従い制作されています。先述した厳選されたアラスカ産の木材を使用し、中心部から端にかけて厚みを薄くしていくことで柔軟性を持つことが出来ています。

 

これらの特許や厳選された素材を用い、スタインウェイピアノは製作されています。ニューヨークにクイーンズ区にある工場で約250名のスタッフによって、年間約1500台のピアノを生産。1台のピアノを生産するのに1年の歳月を用います。

また、ニューヨークの他にドイツのハンブルクにも生産拠点を設けています。ハンブルク・スタインウェイはより近代化された工場で製造され、より精度が高いと言われ、日本に入ってくるスタインウェイピアノはハンブルク製が多いです。

いずれにせよスタインウェイピアノは価格帯も1500万円を超えるものが殆どですが、その価格の裏付けも紐解かれてきたことでしょう。

ベーゼンドルファー、ヤマハなど他のピアノとの違い

スタインウェイピアノの他のピアノは何でしょう。それぞれに個性があり、それぞれの意見があり、一概にスタインウェイはこうですと言い切れないのが実情です。

ただ、よく挙がる声として、スタインウェイの音色は「華やか」「感情豊か」「強さがある」「万能さ」があります。

ヤマハ、ベーゼンドルファー、スタインウェイの3メーカーを例に挙げると、ヤマハは生真面目な音、ベーゼンドルファーは丸みのある音、スタインウェイは透き通った音、このように表現されることもあります。

クラシックのおいては、スタインウェイのピアノが最もフィットすることでしょう。ジャズにおいてはベーゼンドルファーの評価が高いです。

ただ、これも全て個人の見解で大きく異なります。是非、一度ピアノの聞き比べをしてみください。

スタインウェイ&サンズの現行モデルと価格

スタインウェイの価格帯

スタインウェイ&サンズは世界でも最上級クラスの高級ピアノです。

現行で販売されているグランドピアノの最低価格が1589万円となっており、最も安いグランドピアノでも1500万以上の値が付きます。限定モデル等を除き、最も高いグランドピアノは3782万円となっています。

アップライトピアノは現行はK-132のみとなりますが、これも905万円となっています。庶民には中々手を出すことが難しい価格帯となっており、スタインウェイ&サンズのピアノを手にすることは、一種のステータスとも言えるでしょう。

ちなみに限定モデルを除き、ヤマハの最も高い価格のピアノはグランドピアノのCFXとなっており、2310万円となっています。カワイは限定モデルを除くと「Shigeru Kawaiシリーズ」のSK-EXの2310万円が最高値となっています。ただし、ヤマハもカワイも100万円台で買えるグランドピアノが現行で販売されています。

いかにスタインウェイピアノの価格帯が高いかがわかるかと思います。

年々、価格は高騰傾向にある

スタインウェイ&サンズは年々、販売価格が高くなっています。

直近の5年前と比較しても平均して500万円は値上がりしている現状です。価格高騰の背景としては、円安、人件費の高騰、温暖化による資材不足、ウクライナ紛争によるロシア・東ヨーロッパからの材料の輸入の滞りなど様々な要因が挙げられています。

20年前と比較とするとB型に関しては当時1500万円前後でした。およそ850万円程の値上がりをしています。ここ数十年の価格推移をみる限り、価格が今後安くなるとは考えにくいでしょう。

 

スタインウェイのモデル一覧

ここからはスタインウェイ&サンズの現行モデルをご紹介します。価格はメーカー小売希望価格です。(2024年10月現在)

スタインウェイ新品価格

D-274 グランドピアノ

奥行:274㎝
横幅:157㎝
重量:約500㎏
メーカー希望小売価格:37,829,000円

スタインウェイのグランドピアノの頂点でもあるD-274。最上級モデルとして位置づけられ、コンサートや音楽学校などで使用されています。ピアノに携わる者の憧れの存在にもなっています。

 

C-227 グランドピアノ

奥行:227㎝
横幅:155㎝
重量:約425㎏
メーカー希望小売価格:調査中

C-227は奥行227㎝のコンサートユースとして至高の音色を奏でるモデルです。D274と共にこちらも最高峰ピアノとして位置づけられています。ミュージシャンのスモールコンサートなどでも使用されています。

 

B-211 グランドピアノ

奥行:211㎝
横幅:148㎝
重量:約354㎏
メーカー希望小売価格:23,606,000

プロのピアニストの練習用として需要の高い、奥行き211㎝のB-211。サロンコンサートなどにも適応し、またレッスンルームなどでも活用されています。

 

A-188 グランドピアノ

奥行:188㎝
横幅:147㎝
重量:約325㎏
メーカー希望小売価格:20,548,000円

奥行き188cmの中型ピアノ。スタインウェイのグラウンドピアノとしては中間のサイズに位置し、大型と小型の両者の良いところを兼ね備えたモデルとなります。ご家庭用として愛用されています。

O-180 グランドピアノ

奥行:180㎝
横幅:146.5㎝
重量:約286㎏
メーカー希望小売価格:18,823,000円

スタインウェイの「スモールグランド」の中で最大のモデルとなっています。ご家庭でも楽しめるサイズ設計となっています。

 

M-170 グランドピアノ

奥行:170㎝
横幅:146.5㎝
重量:約281㎏
メーカー希望小売価格:17,259,000

ご家庭や音楽学校のレッスンで使われることが多い、奥行き170㎝のM-170。

S-155 グランドピアノ

奥行:155㎝
横幅:146.5㎝
重量:約267㎏
メーカー希望小売価格:15,895,000

スタインウェイのグランドピアノで最小サイズのS-155。1930年に誕生し、ご家庭用として多くの方に愛されてきました。最小サイズながらコンサートグランドと同じ素材で製造されています。

K-132 アップライトピアノ

横幅:152.5㎝
高さ:132㎝
重量:約295㎏
メーカー希望小売価格:9,053,000

現行モデルとして唯一のアップライトピアノK-132。スタインウェイの良さが凝縮されたまさに世界最高峰のアップライトピアノとも言えるでしょう。

 

スタインウェイ&サンズはハインリッヒ・エンゲルハルト・シュタインヴェーク(のちにヘンリー・エンゲルハード・スタインウェイに改名)によって1853年に創業されました。130以上のピアノ特許を取得し、今も世界中で愛される伝統あるピアノブランド。それはこれからも変わることは無いでしょう。

スタインウェイの歴史に関してはこちらの記事で詳しく記していますので、是非ご覧になってください。

【関連記事】スタインウェイピアノの歴史|創業者や発祥地など年表で紹介!

この記事を書いた人

東和樹

ピアノワン買取責任者
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